2013年7月17日水曜日

初期研修医研修受け入れ2日目

初期研修医研修受け入れ2日目


研修受け入れ2日目のプログラムは、果樹園を訪問し作業を手伝いながらインタビューやライフストーリーの聞き取りを行う果樹園体験、一般外来と労災外来の研修でした。





 今回の果樹園体験でお世話になったのは、山田町に住むM夫妻、それとお手伝いに来ていたMさん。
研修医と指導医の寺田先生、事務長の熊谷でおじゃましました。

 最初は、前日血圧が高かったという奥さんの血圧を測定。「今日は大丈夫ですね。」と一安心の奥さん。

 奥さんは、主に色々作っている畑を担当し、ご主人は、サクランボやブドウなどの果物を担当しているとのこと。作業場には、サクランボの大きさを選別する穴のあいた定規のようなもので、大きさ別にパックに入れられたサクランボが並びます。

 さっそく、準備していただいた草刈りから開始でした。農園は、農薬を使用しない無農薬野菜、果物の栽培に取り組んでいます。これから唐辛子を植えようとしている畑は、除草剤が蒔かれていないため雑草が生い茂ります。これを、普段持つことのない鍬やシャベルで掘り出す作業が始まりました。Mさんの説明では、一度とっても、またすぐ芽が出てくるので、何回も草刈りをするのだとのこと。我々のために用意してくれていたスペースは、長い農作業のほんの一瞬の作業なのでした。このほかに、スコップを使ってニンニク掘りもやらせてもらいました。ニンニクの葉はネギのように伸びていて、素人がみてもこれがニンニクとはわかりませんでした。

 色々な野菜を作っていますが、果物はサクランボとブドウがメインです。M夫妻は、農家をやりたくて、定年退職した後、今の家付きの土地を買い、すでにあったサクランボの木の他に、自分で木を植えて育てたそうです。サクランボはちゃんとした実ができるまで8年かかったとのことでした。サクランボの種類事や、苦労話も聞きながら、実をカゴに詰めていきましたが、暑い中での作業は結構汗をかき、慣れた人でも1時間作業したら、すぐ休憩しないと熱中症などで倒れることもあるとのことで、注意が必要とのことです。3年ほど前に流行った「灰星病」というサクランボの病気は、インフルエンザのように一度拡散してしまうと大変なことになるので、そのサクランボを発見するとそっともぎ取り、別の容器に移す作業も同時に行っていました。私達がその作業をしようとすると、ヘタにさわらない方がよいとのこと。慣れない方がやると、胞子を飛ばしてしまい、他のサクランボへ移してしまう危険があるそうです。

 多くの農園でのサクランボ狩りは、面白さにサクランボと次の新芽を採ってしまうことが多く、これには参るとMさんも苦笑い。指導医の寺田先生はどうやらサクランボの南陽がどれかを知りたい様子。

 Mさんは、佐藤錦は一番人気だが、甘いのは南陽の方で、これはサクランボ狩りをさせていないとのこと。1粒100円もするとのことで、遠慮しながら数粒試食しました。やはり、甘くてすっぱみがなく、高級感のあるサクランボでした。


 作業場では、奥さんから「食」へのこだわりが話されました。昔、学校給食で食事を作っていた時も、子ども達に安全な食べ物を提供したく、農薬をなるべく使用していない物を選んでいたこと、食べ物は出来る限り自分で作った無農薬の物にしたくて、農家を始めた事、お米も専用の方が作る物しか仕入れない事など、色々なこだわりも話されました。無農薬で育てるということは、やはり虫は大敵。お話の最中も、チョウチョウが飛んでくると、虫取り網を持って、サッと追いかけていきます。チョウチョウがせっかく育てた野菜の葉に卵を産み付け、青虫が発生するのを防ぐためだとのことです。以前、赤く熟したトマトに青虫が食べていたところを捕まえると、青虫が赤虫に染まっていたこともあったと笑っていました。話しの途中にもチョウチョウが・・・。これは、研修医の出番とのことで追ってもらい、ゲットしてもらいました。これも農家にとっては大事な大事な作業なんです。とにかく朝は虫の点検から始まるのです。

 わずか3時間程の作業とお話でしたが、いっぱいお話を聞くことができました。体験前には簡単に考えていた農作業でしたが、実際は、いろいろな作業が多く、こだわりもあって、果てしなく続く仕事なんだなあと農家や果樹園を営む人々の苦労を知った一日でした。

 ところで、果樹園体験が故郷での体験を思い出したらしく、もう一度体験したいと切望されていました。



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