2014年11月10日月曜日

【小児科】BCGワクチンについて


BCGワクチンは、結核を予防するためのワクチンです。スタンプ式のBCGワクチン(結核菌を弱めたBCG菌の生ワクチン)でかなりの効果が期待できます。2013年度から定期接種ワクチンになったため、無料で接種することができます。


≪結核とは≫

 結核菌が肺や髄膜(脳を包む膜)などについて、炎症を起こします。結核にかかった人がせきやくしゃみをしたときに飛び散った結核菌を吸い込むと感染してしまいます。そのため、たいていは結核に感染している家族や学校・職場の人など、周囲の人からうつりますが、時には感染経路がわからないこともあります。

昔は日本人の死因の第1位で、「死の病」と言われた結核ですが、今日では、「昔の病気」というイメージをもっている人が多いかもしれません。しかし、決して侮ってはいけません。現在も、日本では年間約23000人がこの病気を発病しています。そのうち子どもの患者は約90人とされており、少ないように感じるかもしれませんが、それは予防接種が広まったおかげなのです。もしも結核にかかってしまったら、治療薬を飲むなど適切な治療を受ける必要があります。


≪症状≫

 初期症状は風邪と似ています。大人の場合はせきや痰が出ますが、小さな子供では

①熱だけが続く

②熱が出ずに急に手足がマヒする

③なんとなく元気がなくなる

④笑わなくなる

などの症状が見られることもあります。

 また、肺結核になることもありますが、肺には変化がないまま髄膜炎などの変化が起こることもあります。3~4歳以下、特に1歳未満は重症化しやすい病気です。


≪合併症≫

 3~4歳以下の場合は、粟粒(ぞくりゅう)結核という重症の肺結核になる可能性があります。また、脳を包む髄膜に炎症が広がる結核性髄膜炎になると、死亡したり、重い脳障害を起こしたりする危険性が高くなります。


≪接種時期と回数≫

余市町・古平町・仁木町・積丹町にお住まいの方は生後6ヵ月までが定期接種の期間となっています(生後6ヵ月以後は任意接種の扱いとなります。その場合、自己負担額が5970円となります)。

標準的な接種期間は生後3ヵ月以後~6ヵ月未満です。なお、BCGは生ワクチンのため、先天性免疫不全と診断されている赤ちゃんは接種できません。その場合は、専門医に相談しましょう。まずヒブ、小児用肺炎球菌、四種混合ワクチンなどを2回以上受け、その後BCGワクチンを受ける、という順序での接種をおすすめします。

0 件のコメント:

コメントを投稿