2013年9月3日火曜日

【小児科】 ヒブワクチンについて

ヒブワクチンは、ヒブ感染症を予防するワクチンです。2013年度から定期接種ワクチンになったため、無料で接種することができます。

≪ヒブ感染症とは≫
インフルエンザ菌b型(ヒブ)という菌が鼻やのどから入って起こる病気です。冬に流行するインフルエンザウイルスとは別物です。ヒブ感染症は肺炎球菌と同様に細菌性髄膜炎を起こします。子供の細菌性髄膜炎の60%がヒブによるものです。特に集団保育の子供は通常の23倍かかりやすいです。

≪症状≫
脳を包む髄膜、のどの奥の喉頭蓋、肺などに炎症を起こします。細菌性髄膜炎になっても早期の症状は熱と不機嫌くらいで、血液検査をしてもかぜと区別できないことも多いです。その後、ぐったりする、けいれん、意識がないなどが出てきます。抗生物質が効かない耐性菌も多く、治療が難しいので予防が一番です。また、咽頭蓋炎が重症化すると、息ができなくなって死亡することもあります。

≪合併症≫
髄膜炎にともなう合併症はたくさんあります。発達・知能・運動障害・難聴(聴力障害)などが起こることがあります。死亡率が37%、脳の後遺症の発生率が1520で、大変危険な病気です。

≪接種時期と回数≫
余市町・古平町・仁木町・積丹町にお住まいの方は、生後2ヶ月から生後60ヶ月(5歳の誕生日の前日まで)の間が定期接種の期間となっています。

接種回数は、接種をし始める年齢によって異なります。
はじめて接種する年齢が生後2ヶ月以上7ヶ月未満→接種回数4
はじめて接種する年齢が生後7ヶ月以上12ヶ月未満→接種回数3
はじめて接種する年齢が1歳以上5歳未満→接種回数1
接種スケジュールは以下のようになります。
1回目→生後2ヶ月になったらできるだけ早く
2回目、3回目(4回接種する方のみ)→前回の接種から38週あけて
4回目→1歳過ぎから60日以上あけて 3回目(3回接種の方)→2回目から1年後


細菌性髄膜炎にかかった子供の約66%は01歳です。生後5ヶ月頃から発症率が高くなります。そのため、生後2ヶ月から接種を始め、生後6ヶ月までに3回接種しておくことをおすすめします。肺炎球菌ワクチンと同時に接種すると、少ない回数で効率的に予防接種が受けられます。

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