2014年2月4日火曜日

小児こんなときどうしたらいいでしょう ④

小児 こんなときどうしたらいいでしょう ④ 感染性胃腸炎

《感染性胃腸炎とは》
下痢やおう吐などを病状とする病気には色々あります。その中で、何らかの病原体(細菌、ウイルスなど)が原因のものを、「感染性胃腸炎」といいます。病原体にはいろいろな種類がありますが、特に冬に多く流行するものとして、「ノロウイルス」による感染性胃腸炎があります。「ノロウイルス」は、100個未満の少量のウイルスでも感染が成立する、感染力の強いウイルスです。人の腸の中で増え、便1グラムに10億個存在すると言われます。
「ノロウイルス」による感染性胃腸炎は、人から人への感染と、汚染した食品を介しておこる食中毒があります。
  感染した人の便やおう吐物に触れた手指を介して「ウイルス」が口に入った場合
  便やおう吐物が乾燥して、細かな塵と舞い上がり、その塵と一緒に「ウイルス」が口に入った場合
  「ウイルス」が付着した手を十分に洗わずに、調理した食品を食べた場合
  「ウイルス」を内蔵に取りこんだカキやシジミなどの二枚貝を、生または不十分な加熱処理で食べた場合
潜伏期間はおよそ1~2日間、嘔吐(噴出性)、下痢、腹痛、発熱(38度以下)などの症状が現れます。症状は通常3日以内で回復します。また、症状が消失しても、3~7日間は、便中にウイルスが排出されると言われています。
病後は一時的に免疫ができますが、インフルエンザと違って持続しないため、ひとシーズンに何回も感染する可能性がありますので、流行期には予防の徹底が大切です。
《治療》
「ノロウイルス」による感染性胃腸炎は自然に治るので、特別な治療薬は使用しません。下痢止めなどを使うと、ウイルスの排出を妨げ、病気の回復を遅らせる場合もあり、あまりお勧めできません。脱水症状が強い場合は、点滴などが必要になることがあります。
《予防について》
  最も大切なことは手を洗うことです。トイレのあと、吐物処理後、調理の前や食事の前など、石鹸と流水による手洗いをしっかり行いましょう
  貝類は十分に加熱調理しましょう。(中心温度85度で1分以上の加熱が必要です)
  ウイルスをまわりに広げないために、吐物や便の処理を正しく行いましょう
《吐物等の処理の方法》
  処理する人が感染しないよう、使い捨て手袋・マスク・エプロンを装着します。また、吐物などついたものが、周りに付着しないよう注意しましょう。
  汚物は、トイレットペーパーでふき取ってトイレに流すか、使い捨てのペーパータオル等を用いて外側
から内側に向けて拭いとり、ビニール袋にいれます。このとき、ビニール袋の外側触れないよう気をつけましょう。
  ふき取った後は、*0,1%の次亜塩素酸ナトリウム液で拭きし、後で水拭きします。
  衣類が汚れた場合、85度で1分以上熱湯消毒をするか、*0,02%次亜塩素酸ナトリウムに30~60分浸して消毒し、他のものと分けて最後に洗濯します。
  消毒薬のつくり方 
0,1%次亜塩素酸ナトリウム~ブリーチ・ハイター10ml+水   合計500ml
0,02%次亜塩素酸ナトリウム~ブリーチ・ハイター10ml+水  合計2000ml

《おうちで気をつける事》
  脱水にならないように、水分を補給することが、一番大切です。こまめに水分を取りましょう
  入浴~他の家族との混浴は避け、一番最後に入浴しましょう。お尻はきれいに洗いましょう。最後に湯船のお湯は捨て、浴室は流水できれいに掃除しましょう。
  登園・登校~学校保健安全法では、出席停止について特に明記されていません。登校・登園については、医師への相談をおすすめします。
  家族への感染~感染しやすいため、他の家族の体調に注意し、手洗い等の予防に心がけましょう。
《早めの受診が必要な時》

嘔吐がおさまらない、水分が取れない等で、脱水を引き起こす事があります。こうした時は、早めの受診をお勧めします。





















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