2017年5月30日火曜日

【子どもの病気】おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)について

≪おたふくかぜとは≫

おたふくかぜ(ムンプス)は、ウイルスによる飛沫感染で、唾液腺(舌下腺・
耳下腺・顎下腺)に感染し発症します。幼児から学童にかかりやすいですが、
大人もかかります。潜伏期間は約2~3週間です。

≪症状≫

 主な症状は、耳下腺の炎症による腫れです。耳下腺(耳の下)の片側または
両側が腫れて痛みがでてきます。片側が腫れて、後からもう片方が腫れてくる
こともあります。
発熱しないこともあり、39℃くらいの高熱が出ることもありますが、通常は
1~2週間で軽快します。
2万人に1人の割合で難聴を起こすこともあります。おたふくによる難聴に
なると、ほとんどの場合聴力はもどりません。
また、思春期以降の年齢でかかると、精巣炎を起こすこともありますが不妊症に
なることはほとんどありません。

≪治療≫

痛みや発熱に対して、解熱鎮痛剤の飲み薬や座薬、湿布で対応します。

≪予防≫

 おたふくかぜワクチン(生ワクチン)があります。任意接種です。おたふく
かぜには多くの合併症があり、合併症予防のためにもワクチン接種を
お勧めします。MR(麻しん風しん混合)ワクチンやみずぼうそうワクチンと
同時接種が可能です。

≪家庭で気をつけること≫

 ① 食べ物~すっぱいものや硬いものを食べると痛みが増すことがあるので、
      薄味にして、やわらかい物など食べやすい物を食べましょう。
 ② 入 浴~熱がなければ入って良いです。
 ③ 痛 み~耳の下が痛いときには、痛み止めを使う、冷やす、湿布などを
      使いましょう。
 ④ 発 熱~38.5℃以上の発熱があり、ぐったりしていて元気がない、食欲が
      ない場合は、熱冷ましの座薬や飲み薬を使いましょう。その際、
      座薬は5~6時間以上あけて使用し、使いすぎに注意しましょう。
 ⑤ 登園・登校~唾液腺の腫れが出現した後、5日を経過し、かつ全身状態が
      良くなるまで
は学校や保育園、幼稚園は休みましょう。

≪もう1度受診した方が良い時≫

 3~10%の確率で髄膜炎を起こすことがあります。高熱が出て頭痛や嘔吐が
ある場合は、早めに受診してください。また、0.1%の確率で難聴を起こす
ことがあると言われています。片側に起こることが多く、気づかれないことも
多いので注意してください。

0 件のコメント:

コメントを投稿