2013年12月18日水曜日

【小児科】ロタウイルスワクチンについて

ロタウイルスワクチンはロタウイルス胃腸炎を予防するためのワクチンです。胃腸炎の原因となるウイルスには様々な種類がありますが、子供が一番重症化しやすいものの1つがロタウイルスです。

≪ロタウイルス胃腸炎(感染症)とは≫
ロタウイルスによって起こる病気です。下痢や嘔吐、時に発熱といった症状が出ます。このような症状が起こる病気を一般的に「ウイルス性胃腸炎」と呼びます。ウイルス性胃腸炎ではノロウイルスが有名ですが、子供はロタウイルスに感染した時が一番重症化しやすいです。生後56ヶ月からかかりやすくなり、5歳頃までに何度もかかることがあります。特に、最初の12回は重症化しやすいです。感染力が非常に強く、保育園や家庭内でもあっという間に流行します。

≪症状≫
下痢や嘔吐の症状が出ます。下痢や嘔吐が続くと、体から水分と塩分が失われていき、脱水症を起こします。脱水症がひどくなると点滴が必要になります。重症化すると、点滴をしても死亡することがあります。日本では、毎年80万人が病院を受診し、8万人が入院、約10人が死亡します。

≪合併症≫
脱水症だけでなく、脳炎や重い腎障害になります。脳炎は毎年40人ほどが発症します。また、腸重積という腸閉塞を引き起こすこともあります。腸重積は放っておくと腸が壊死してしまう病気です。

≪ワクチンの効果と副作用≫
ロタウイルスワクチンで、重症になるのを約90%防ぐことができます。ワクチン以外での根本的な予防法、治療法はありません。以前使用されていたロタウイルスワクチンは、接種後に腸重積が多く起こったため販売中止になりました。現在使用されているワクチンは、世界中で多くの調査が行われており、安全性は非常に高いとされています。

≪接種時期と金額≫
ロタウイルスワクチンは任意接種です。余市診療所で使用しているワクチンは2回接種が必要なワクチンです。
ワクチンの料金は、113,650円×2回接種=27,300円です。

ワクチンは飲むタイプの生ワクチンです。生後6週間以降に1回目を接種してください。ロタウイルスワクチンは生ワクチンのため、接種してから4週間(中27日)あけなければ次のワクチンを接種できません。生後2ヶ月になったらなるべく早く、ヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎ワクチンと一緒に接種することをおすすめします。2回目のワクチンは、1回目の4週間後に接種します。

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